比は「袋」を使えば、かんたんにわかる!(六年生)

比の導入です。比の問題を解く前に子どもに教えるといいでしょう。数学の著書もある著者が運営しているサイトです。

塾講師時代、生徒の成績をみるみるあげた授業をもとにした本です。数学が苦手なひとに向けた本です。
◆ 0(ゼロ)からやりなおす中学数学の計算問題
◆ 5つのパターンで9割わかる!中学数学の文章題

比は「袋」で考えよう!

リンゴごを持っていたので、つぎのように、たろうくんと、はなこさんにあげました。

・たろうくんには、リンゴ2個
・はなこさんには、リンゴ3個

図にすると、つぎのようになりますよね。



リンゴはまだまだあります。
たろうくんと、はなこさんに、もっとリンゴをあげようと思いますが、どのようにリンゴを渡していけばいいと思いますか。

いろいろな方法が考えられますよね。
たとえば、つぎの図。
たろうくんに1個、はなこさんに2個のリンゴをあげる方法です。



ほかにも、たろうくんに10個、はなこさんに1個のリンゴをあげる方法もあります。
それ以外にも、たろうくんに100個、はなこさんに200個リンゴをあげる方法もあります。

さて、ここでリンゴを「袋」にいれて渡していく方法を考えてみます。
具体的には、リンゴをつぎのように袋にいれて、2人に渡していく方法です。



リンゴの数はどのように増えていくと思いますか。
袋が増えていくので、つぎのようになりますね。

<2袋>


→たろうくんはリンゴ4個、はなこさんはリンゴ6個

<3袋>


→たろうくんはリンゴ6個、はなこさんはリンゴ9個

<4袋>


→たろうくんはリンゴ8個、はなこさんはリンゴ12個

リンゴの増えかたを見てみてください。
たろうくんが2個増えたら、はなこさんは3個リンゴが増えるのがわかると思います。
※袋に入れているので、当たり前ですね。



このように片方が増えると、もう片方も同じように増えるとき、つぎのように「:」で表します。
※減るときも同じです。
※大ざっぱすぎますが、いまのところは、このくらいの理解で構いません。

「2:3」
「4:6」
「6:9」
「8:12」

はじめのうちは「:は、袋にいれて考えるよー」というマークだと覚えていただいても構いません。

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袋で増やした場合は「=」で、つなげる

たろうくんはリンゴ2個、はなこさんはリンゴ3個を持っています。



リンゴを袋にいれます。
このとき、「これから袋ごとに増やしたり、減らしたりしますよー」というマークで「:」を書くのでしたね。
「2:3」です。



1袋ずつ増やすと、つぎのようになります。
リンゴの数をかぞえてください。
「4:6」です。



袋から出します。



ここで、リンゴ「2個」を袋にいれてください。



そして、袋のなかを手で隠してください。



「2:3」になりました。

<まとめ>

・たろうくん、2個
・はなこさん、3個

リンゴを袋にいれた。
袋を増やした。

・たろうくん、4個
・はなこさん、6個

リンゴを袋から出した。
リンゴ2個を別の袋にいれた。

・たろうくん、2袋
・はなこさん、3袋


2:3が4:6になりました。
4:6は2:3になりました。

「2:3も、4:6も同じじゃね?」というわけで、「2:3=4:6」と「=」でつなぐことができます。
※ものすごく大ざっぱな話ですが、いまはこの理解で構いません。

さて、元に戻ります。
「2:3」です。



袋を増やします。
「6:9」ですね。



袋から出します。



そして、今度はリンゴ3個ずつ袋にいれます。



袋のなかを手で隠すと、「2:3」になります。



「6:9」は「2:3」になったわけです。

<まとめ>

・たろうくん、2個
・はなこさん、3個

リンゴを袋にいれた。
袋を増やした。

・たろうくん、6個
・はなこさん、9個

袋からリンゴを出した。
リンゴ3個を別の袋にいれた。

・たろうくん、2袋
・はなこさん、3袋

「2:3も、6:9も同じじゃね?」というわけで、「2:3=6:9」と「=」で、つなぐことができます。

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「=」でつなげる場合、つないではいけない場合

質問です。
つぎのどちらが正しいと思いますか。

(1)「1:3=2:6」
(2)「1:3=2:5」

まずは(1)です。
「1:3=2:6」の「2:6」を図で表してみました。



リンゴ2個を袋に入れます。



袋を手で隠すと「1:3」になりますね。
「1:3=2:6」となります。



よって、答えは(2)ですが、(2)を見てみましょう。
「1:3=2:5」の「2:5」を図で表してみました。
これはどうやっても「1:3」で分けられないですよね。



というわけで、「1:3=2:5」は間違いです。

さて、ここで、つぎの図を見てください。
(1)の「1:3=2:6」を図にしたものですが、たろうくんのリンゴの数は「×2」、はなこさんのリンゴの数も「×2」になっているのがわかりますよね。



一方、(2)の「1:3=2:5」は、たろうくんのリンゴの数は「×2」ですが、はなこさんのリンゴの数は「×2」ではありません。



片一方が2倍になれば、もう片一方も2倍になるとき、「=」でつなげられることがわかります。
※大ざっぱですが、いまはそのように覚えておいてください。

質問です。
つぎのどちらが正しいと思いますか。

(1)「2:3=8:10」
(2)「2:3=8:12」

(1)ですが、「2→8」は「×4」ですね。「3→10」も「×4」にならないといけないので、これは間違いです。

(2)ですが、「2→8」は「×4」ですね。「3→12」も「×4」です。
よって、答えは(2)です。

「袋」で増やしたり、減らしたりするとき、不思議な関係がある1

先ほど、つぎのように袋にリンゴをいれて、袋で増やしていきました。

「2:3」
「4:6」
「6:9」
「8:12」

「2:3」と「4:6」を見比べてみましょう。
たろうくんの袋の数は「1袋」から「2袋」になっています。つまり「×2」ですね。
はなこさんの袋の数も「1袋」から「2袋」になっているので、「×2」です。



ちなみに、リンゴの数で考えても同じです。
たろうくんのリンゴの数は「2個」から「4個」になっています。つまり「×2」ですね。
はなこさんのリンゴの数も「3個」から「6個」になっているので、「×2」です。

というわけで、「2:3=4:6」です。

つぎに「2:3」と「6:9」を見比べてみましょう。
たろうくんの袋の数は「1袋」から「3袋」になっています。つまり「×3」ですね。
はなこさんの袋の数も「1袋」から「3袋」になっているので「×3」です。



ちなみに、リンゴの数で考えても同じです。
たろうくんのリンゴの数は「2個」から「6個」になっています。つまり「×3」ですね。
はなこさんのリンゴの数も「3個」から「9個」になっているので、「×3」です。

というわけで、「2:3=6:9」です。

まとめると、図のようになります。



つまり、つぎのようにもできますよね。

2:3=4:6
2:3=6:9
2:3=8:12

「同じ」なので、つぎのようにもできます。

4:6=6:9
4:6=8:12
6:9=8:12

見方を変えると、たとえば、つぎのようにもできます。





このように、袋にいれて、袋ごと増やしたり減らしたりしたもの、すべて「=」でつなぐことができます。しっかり覚えておきましょう。

「袋」で増やしたり、減らしたりするとき、不思議な関係がある2

かけ算とわり算の関係を覚えていますか。
つぎのような感じでしたね。



ここも同じです。
つぎのような関係があります。



先ほどと同じです。
つぎのようにもできます。





比の練習問題を解いてみよう!

つぎの問題を解いてください。

比をかんたんにしてください。
(問)8:2

「:」でつながっているとき、両方の数字を同じ数でかけても、わってもいいのですよね。
だから、両方の数字を「2」でわってみます。

(8÷2):(2÷2)=4:1

「4」と「1」。
これ以上、同じ数で、わることはできませんね。
このように、これ以上、わることができないようにすることを「比をかんたんにする」といいます。

では、問題を解いてみましょう。

比をかんたんにしてください。
(1)3:12
(2)4:6

(1)両方を「3」で、わります。

(3÷3):(12÷3)=1:4

(2)両方を「2」で、わります。

(4÷2):(6÷2)=2:3

比は常に〇倍!

たろうくんはリンゴ1個、はなこさんはリンゴ3個持っています。



たろうくんと、はなこさんのリンゴの数を比べてみてください。
はなこさんのリンゴの数は、たろうくんのリンゴの3倍ですね。



さて、ここでリンゴを袋にいれて増やしていきましょう。
まずは、2袋。



「2:6」ですね。
たろうくんと、はなこさんのリンゴの数を比べてみてください。
はなこさんのリンゴの数は、たろうくんのリンゴの3倍です。



つぎは、3袋。



「3:9」ですね。
たろうくんと、はなこさんのリンゴの数を比べてみてください。
はなこさんのリンゴの数は、たろうくんのリンゴの3倍です。



いくら袋を増やしても3倍ですね。
このように、袋で増やしていくとき、「片方がもう片方の何倍になるのか」は常に一定です。

これは今後使うので覚えておいてくださいね。

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