「●分後」「●分前」などをちょっとだけ理解させよう!(二年生)

二年生に「●分後」「●時間後」「●分前」「●時間前」をちょっとだけ理解させる方法を説明しています。数学の著書もある著者が運営しているサイトです。

塾講師時代、生徒の成績をみるみるあげた授業をもとにした本です。数学が苦手なひとに向けた本です。
◆ 0(ゼロ)からやりなおす中学数学の計算問題
◆ 5つのパターンで9割わかる!中学数学の文章題

かんたんなケースで「●分後」を身につけさせよう!

子どもはまだ時間の概念があやふやです。
いきなりすべてを学習させるのは難しいので、まずは、「●分後」をわかるようにしましょう。

・紙を用意してください。
・紙の左上に、デジタル時計の形式で「8:07」と書いてください。

用意ができれば、子どもにまず「時間が経つということは、数字がどうなるんだっけ?」と聞いてください。
「数字が増える」と答えると思います。
そこで、すかさず、紙に「10ふんご」と書いて、「『後』は時間が経ったってこと。だから、10分後は『10分だけ時間が過ぎたってこと』」と教えてください。

そして「じゃあ、8:07の10分後は?」と聞いてください。

はじめは答えられないかもしれません。
そこで、つぎのように1つずつ確認してください。

・「時間が経つと、数字は増えるんだった? 減るんだった?」
・「8:07から10分だけ時間が過ぎたってことだよね?」

そして「10分後は10分だけ時間が経ったってことだから、数字を増やすんだよね。だから『7+10=17』。答えは8:17」と教えて、「8:10」の下に「8:17」を書かせてください。

つぎに「じゃあ、8:17の10分後は?」と聞いてください。

答えられないのなら、先ほどと同じように説明してください。
そして、答えの「8:27」は「8:17」の下に書かせてください。

また「じゃあ、8:27の10分後は?」と聞いてください。

答えられないのなら、先ほどと同じように説明してください。
そして、答えの「8:37」は「8:27」の下に書かせてください。

これを「8:57」まで続けてください。
子どもの出来が悪ければ、別の紙の左上に「10:04」と書いて、「10分後、さらにその10分後」と計算させてください。

繰り返すことが大切です。子どもができるようになるまで、何度も繰り返してください。

ただ、このとき60分を超えないようにしてください。60分を1時間にする話はあとで学習します。(それよりもまずは「後」をしっかりできるようにしてください)。

ちなみに「時間軸を使って、時間の概念を教えたほうがいいのでは?」と思うかもしれません。

もちろん、教えても構いません。
しかし、まだ時間の概念が理解できない子どもがたくさんいます。時間が経てば、すなわち脳が発達すれば自然に理解できるようになってそのころに時間軸を教えたほうが効率的なので、あとまわしにしているだけです。

【目標】●分後がわかる。具体的にはつぎの2つがわかる。
・●分後は、「●分だけ時間が過ぎた」
・時間が過ぎたということは、足せばいい

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かんたんなケースで「●時間後」を身につけさせよう!

先ほどと同じです。
まずはつぎのように準備してください。

・紙を用意してください。
・紙の左上に、デジタル時計の形式で「1:07」と書いてください。
・その下に「1じかんご」と書いてください。

用意ができれば、「『後』は時間が経ったってことだよね。だから、1時間後はどういう意味?」と聞いてください。

「1時間だけ時間が過ぎたってこと」と答えると思います。
「じゃあ、1:07の1時間後は? 紙に書いて」と言ってください。
子どもができないようなら、つぎのことを教えてください。

<復習>
・デジタル時計は「時間:分 秒」の順になっていること

そして「1時間後は1時間だけ時間が経ったってことだから、数字を増やすんだよね。だから『1+1=2』。答えは2:07」と教えてください。そして、「1:07」の下に「2:07」を書かせてください。

つぎに「じゃあ、2:07の1時間後は?」と聞いてください。

答えられないのなら、先ほどと同じように説明してください。
そして、答えの「3:07」は「2:07」の下に書かせてください。

これを「12:07」あたりまで続けてください。

先ほどと同じように、繰り返すことが大切です。子どもができるようになるまで、何度も繰り返してください。

【目標】●時間後がわかる。具体的にはつぎの2つがわかる。
・●時間後は、「●時間だけ時間が過ぎた」
・時間が過ぎたということは、足せばいい

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かんたんなケースで「●分前」を身につけさせよう!

先ほどの続きです。
つぎに、「●分前」を教えます。

・紙を用意してください。
・紙の左上に、デジタル時計の形式で「8:57」と書いてください。

そして、子どもに「時間が経つということは、数字がどうなるんだっけ?」と聞いてください。
「増える」と答えると思います。
そこで、すかさず、つぎのように言ってください。

・減らすときもあるんだ
・たとえば8:57から10分減らすと8:47だよね
・10だけ減っているとき、10分「前」と言うんだ

丸暗記に近い教えかたですが、まずは、このように教えるといいでしょう。
なぜ、このような教えかたのほうがいいのでしょうか。
それは、このころの子どもには「時間をさかのぼること」が理解しにくいためす。

そこで、まずは機械的に計算できるようにします。
※よって、時間軸を理解できた子どもには「『前』は過去」などと教えても構いません。

というわけで、「8:57の10分前は? 8:57の下に書いて」と言ってください。

「『前』だから引けばいいんだよね。だから、8:47だよね」と教えてください。
つぎは「8:47の10分前は? 8:47の下に書いて」と言ってください。

これを繰り返して、8:07まで計算させてください。

なお、このとき0分を超えないようにしてください。0分より前の話はあとで学習します。(それよりもまずは「前」をしっかりできるようにしてください)。

【目標】
・●分前がわかる。●分前は、●だけ引けばいい

かんたんなケースで「●時間前」を身につけさせよう!

先ほどと同じです。
まずはつぎのように準備してください。

・紙を用意してください。
・紙の左上に、デジタル時計の形式で「12:07」と書いてください。
・その下に「1じかんまえ」と書いてください。

用意ができれば、「『前』は引けばいいんだよね。じゃあ、12:07の1時間前は? 紙に書いて」と言ってください。
子どもができないようなら、つぎのことを教えてください。

<復習>
・デジタル時計は「時間:分 秒」の順になっていること

そして「1時間前は1時間だけ引けばいいんだよね。だから『12−1=11』。答えは11:07」と教えてください。そして、「12:07」の下に「11:07」を書かせてください。

つぎに「じゃあ、11:07の1時間前は?」と聞いてください。

答えられないのなら、先ほどと同じように説明してください。
そして、答えの「10:07」は「11:07」の下に書かせてください。

これを「1:07」あたりまで続けてください。

先ほどと同じように、繰り返すことが大切です。子どもができるようになるまで、何度も繰り返してください。

【目標】
・●時間前がわかる。●時間前は、●を引けばいい

あとは、たし算とひき算の話になる

ここまでできれば演習をしましょう。

紙に「6:12」と書いてください。
そして、つぎの計算をさせてください。

(1)5分後
(2)9分後
(3)10分後
(4)22分後
(5)39分後

答えは以下ですね。

(1)12+5=17なので、「6:17」
(2)12+9=21なので、「6:21」
(3)12+10=22なので、「6:22」
(4)12+22=34なので、「6:34」
(5)12+39=51なので、「6:51」

ちなみに、不正解の問題があれば、つぎの計算がわかっていない可能性もあります。復習させましょう。

(1)2桁+1桁のたし算(繰り上がりなし)
(2)2桁+1桁のたし算(繰り上がりあり)
(3)2桁+10のたし算
(4)2桁+2桁のたし算(繰り上がりなし)
(5)2桁+2桁のたし算(繰り上がりあり)

紙に「7:38」と書いてください。
そして、つぎの計算をさせてください。

(1)5分前
(2)9分前
(3)10分前
(4)22分前
(5)19分前

答えは以下ですね。

(1)38−5=33なので、「7:33」
(2)38−9=29なので、「7:29」
(3)38−10=28なので、「7:28」
(4)38−22=16なので、「7:22」
(5)38−19=19なので、「7:19」

ちなみに、不正解の問題があれば、つぎの計算がわかっていない可能性もあります。復習させましょう。

(1)2桁−1桁のひき算(繰り下がりなし)
(2)2桁−1桁のひき算(繰り下がりあり)
(3)2桁−10のひき算
(4)2桁−2桁のひき算(繰り下がりなし)
(5)2桁−2桁のひき算(繰り下がりあり)

「時間」をいれるだけで、できない子ども続出!しっかり練習しよう

つぎは「時間」もいれます。
大人にとっては先ほどと同じように思いますが、たったそれだけのことでできなくなる子どももいます。
とはいえ、繰り返し訓練しているとできるようになるので、「繰り返し」が大切です。

紙に「6:03」と書いてください。
そして、つぎの計算をさせてください。

(1)1時間6分後
(2)1時間8分後
(3)2時間10分後
(4)2時間22分後
(5)1時間29分後

答えは以下ですね。

(1)
・時間:6+1=7
・分:3+6=9
よって、「7:09」

(2)
・時間:6+1=7
・分:3+8=11
よって、「7:11」

(3)
・時間:6+2=8
・分:3+10=13
よって、「8:13」

(4)
・時間:6+2=8
・分:3+22=25
よって、「8:25」

(5)
・時間:6+1=7
・分:3+29=32
よって、「7:32」

紙に「7:47」と書いてください。
そして、つぎの計算をさせてください。

(1)1時間6分前
(2)2時間8分前
(3)1時間10分前
(4)2時間23分前
(5)1時間19分前

答えは以下ですね。

(1)
・時間:7−1=6
・分:47−6=41
よって、答えは「6:41」です。

(2)
・時間:7−2=5
・分:47−8=39
よって、答えは「5:39」です。

(3)
・時間:7−1=6
・分:47−10=37
よって、答えは「6:37」です。

(4)
・時間:7−2=5
・分:47−23=24
よって、答えは「5:24」です。

(5)
・時間:7−1=6
・分:47−19=28
よって、答えは「6:28」です。

「●前」「●後」で特訓しよう!

ここまでできれば、あとは特訓あるのみです!

訓練の例を紹介します。

1.まずは、紙に「6:03」と書かせてください。
2.子どもに「10分後は?」と聞いて、答えを紙に書かせてください(6:03の下)。
3.子どもは「6:13」と書くと思います。
4.子どもに「5分前は?」と聞いて、答えを紙に書かせてください(6:13の下)。
5.子どもは「6:08」と書くと思います。
6.子どもに「1時間3分後は?」と聞いて、答えを紙に書かせてください(6:08の下)。
7.子どもは「7:11」と書くと思います。

このような感じで、時刻を書かせていくといいでしょう。
この際、「60分→1時間」にならないようにしましょう(例:「6:59」の5分後)。あとで学習するためです。

試しに時間の概念を教えてみよう!

「●分後」「●分前」を教えたあと、子どもに余裕がありそうならば、試しに時間の概念を教えてみるといいでしょう。

具体的には、時間軸を使って「過去」「現在」「未来」の関係を教えたり、日常生活で「(デジタル時計を見ながら)いま、7:30だよね。食事を食べ終わったのは7:20。前のことだから、10分前だよね」と教えたりするといいでしょう。

この際、子どもにとっては、「まだ時間の概念は難しい」と頭の片隅に入れておいてください。
そして、絶対に無理はさせないでください。


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